竹の学術研究に関して

竹の研究者というのは日本にそれほど多くないようにおもいます。また、竹の研究をしている場合でも、"竹も扱っている"という方が多いです。中国やインド等での竹研究は日本よりも盛んなのかもしれません。リンクに一部竹関係の研究をやっている方のwebページも載せておりますので興味のある方は参照下さい。


放置竹林に関して

放置竹林の問題に関しては多く述べられていますし、断片的にはその問題を金額的に示したものや竹駆除の補助金等の情報も出てきますが、具体的に被害額のようなものが統計的にはないのではないかとおもいます。恐らく放置竹林が多くの場合において"放置"されるのは、実際困ったり、景観が損なわれるにも関わらず金額換算がしにくいことが原因ではないでしょうか。


開花に関して

竹の開花に関しては、120年に1回等といわれますが、実は竹によって開花のスタイルは色々です。例えば"Zheng et al. 2020"では、世界の様々な竹の開花に関して良くまとめられています。開花周期の短い竹もあれば長いものもありますし、開花の報告はありますが、そもそも開花周期に関してはわからない点がとても多いです

開花に関係すると考えられるFT遺伝子に関する論文もあります"(Hisamoto & Kobayashi. 2013)"

最近はハチクが開花周期を迎えているのではないかといわれています。


竹のゲノムに関して

2013年に孟宗竹のドラフトゲノムシークエンスが報告されました"(Peng et al.2013)"

2018年には、モウソウチクゲノムシークエンスの第二弾の論文が発表されました"(Zhao et al. 2018)"。この論文では、HiCという手法も用いられ、染色体レベルのゲノム情報が得られています。 2019年には更に、4種の竹のドラフトゲノムシークエンスが解読されました"(Guo et al. 2019)"

ゲノム解析技術は今度も進展が予測されますし、解読されるゲノムは今後も増えて行くとおもいます


竹の面白い表現型に関して

竹に美しい模様が生じることがあります。例えばキンメイチク等は、竹に興味が無くてもどこかで見たことがある方もいるかもしれません。

キンメイの竹など竹の退色はなぜ起こるのか?というのは非常に興味深いです。トランスポゾンによる影響の可能性も考えられますが、学術的に解明した報告は未だなされていないとおもいます。